2025.07.21
先日、北海道でホタテの稚貝が大量に死滅しているというニュースを見ました。海水温の上昇が原因のひとつと見られているようです。2026年に出荷予定だった稚貝で、養殖業者さんには大変なダメージとなることが心配されるほか、市場での高騰も予想されます。
また、海水温上昇による生態系の変化により、三陸沿岸などでは近年 在来種のムラサキ貝が太るようになっているそうです。聞きなれない名前ですが「ムール貝」と聞けばご存知の方も多いかと思います。こうした状況を受け、東北の各県や愛知県など、一部で国産ムール貝の養殖も始まっているようです。
海外でのムール貝の養殖方法は、まず海面に木柱あるいはセメント柱を打ち込み、柱にはネットを巻いて稚貝を貼り付けるというシンプルなものですが、潮で稚貝が流されてしまわないよう、ネットには強力なグリップ性能が求められます。(流出防止のため、柱の間にネットを張るケースもあります)
ギリシャなどヨーロッパの一部の国々では、近年 ヤシファイバーを編んだロープが化学製品のネットに代わり採用されています。この用途で天然繊維を用いるには、なんといっても塩に強い素材でなければなりませんが、ヤシの実は河口から海に流れ 長ければ何年ものあいだ海の上を漂ってその果実を守っていることから、塩分や水分にはとても強く、最適な素材だと考えます。この取り組みを、私たちのコイヤーグラウンド®の知見を活かして日本でもこの進めていけないかと考えています。
日本の海と穏やかな地中海では海流など環境が大きく異なりますから、養殖の方法もまったく違うのかもしれません。まずは私たち自身が現場を見に行きたいと思っています。
ムール貝の日本種である「ムラサキ貝」は、牡蠣の養殖の際に栄養分を横取りしてしまう邪魔者として扱われ、剥がしては取り除かれていました。
コイヤーグラウンド®の原料である椰子ガラもまた、『風化しにくいゴミ』という扱いを受けてきた出自があり、どことなく親近感を抱いています。
(集合体恐怖症の方、ごめんなさい。)
温暖化による被害に負けない、むしろ逆手に取った新たな地域ブランドの創出。そして、その取り組みに海洋プラスチック問題へ配慮がなされた手法を取ることは、とても前向きなトピックになると考えています。
もし見学やテストにご協力いただける事業者さまがいらっしゃいましたら、メールなどにてコンタクトをお願い致します。また、そうした事業者様へおつなぎいただける関係者様からの情報もお待ち申し上げております。
Eメール: contact@coirground.jp